在宅心臓病ケア
平成27年に訪問看護ステーション I を開設しました。利用者様の約半数は、慢性心不全の方々です。心筋梗塞、狭心症、高血圧症、弁膜症、不整脈などから心不全へと病状が進み不安を抱いている方々が安心して療養生活を送れるように活動しています。
私の20代は循環器専門病院で働いていました。心不全で入退院を繰り返される方も多く、数か月入院治療の後、退院を迎えたものの数日や数週間で発作を起こされ再入院する状況がありました。その中で感じたことは、「退院後の療養生活を見守る支援がとても重要である」ということでした。病状を悪化させない在宅医療の役割に興味を持ち、少しずつ支援体制を整えてきました。心不全は発作を起こす度に心機能が低下してしまう病態であり、発作を起こすことなく日常生活を送ることが大きなポイントとなります。退院後はセルフケアが中心となり、生活状況や身体状況によってはサポート体制がとても大切です。かかりつけ医師やケアマネージャー、リハビリセラピストなどと連携し個々に応じたセルフケアを共に考えていきます。
住み慣れた自宅において安心して療養できるようにその役割を果たしたいと考えています。
在宅呼吸器ケア
心臓と肺(呼吸器)は、生命活動においてとても結びつきの深い臓器です。当事業所では、呼吸器ケアについても力を入れており、利用者様の約4割ほどは、呼吸器疾患の方々です。日常生活における「息切れ」「息苦しさ」を少しでも緩和できるよう呼吸状態の観察、リハビリ、生活環境の調整、呼吸療法デバイス管理・操作の助言等を行います。当事業所の強みとしては、心臓・呼吸疾患の利用者様の支援経験が特に多いことです。特化することでより経験を積み洗練することを目的として、日々のケアを大切にしています。
増え続ける救急依頼を減らす
私が東京の大学病院に勤めていた頃「救命病棟24時」というドラマが流行っており、江口洋介さん演じる救急医がとても渋くてカッコ良かった事を思い出します。その勤めていた病院も同じように高度救命救急センターがあり、多くの急患を受入れる最後の砦でした。あれから20年が経ち高齢人口も増え救急依頼も増え続けていますが、その多くは軽・中等症者が占めているといわれています。核家族化が進み、単身者世帯も増えるなかで持病を抱え不安や孤独を感じながらの療養生活は、精神的な苦しみも病状に大きく影響するのではないか…。この仕事を通じ実感しています。日々の関わり合いから心のサポート、早期受診に繋げられるように見守って行きたい。限りある医療資源を守れるよう取り組んで参ります。
看護師が大家さん
介護施設や療養病床以外の選択肢として、民間アパートやマンションなどを活用し高齢者の方が安心して生活できるような取り組みも今後は必要ではないか…。
「看護師が大家さん」そんな物件があっても良いのでは⁉️
ということで、当法人では、看護師が自宅療養を希望するご高齢者の方などへ住まいの相談を行っています。
看護記録専用ソフトの活用
業務効率化とケア向上を目的として、看護師へ専用のスマートホンまたはタブレットを1人1台携帯させています。訪問記録は移動時などの合間に手軽に入力できるようなソフトを導入。他、SNSを駆使し職員間の共有ツールとして日々のケアや業務連携を効果的にして、在宅ワークなども可能な職場環境を整えています。
在宅看護実習の受け入れ
訪問支援の他にも、次世代を担う看護学生の在宅看護実習の受入れを行っており、地域医療の発展に寄与していきたいと考えています。当事業所は、循環器・呼吸器疾患の利用者様の療養支援に力を入れており、その特色を通して看護教育の発展に繋げることを目的としています。
実習受入れに際しまして、ご利用者様そのご家族様には常日頃からご協力頂き感謝申し上げます。
受入れ施設 : 高崎総合医療センター附属高崎看護学校